鶏飯 その4
2006.09.29 Friday
初めての方はこちらを読んでくださいね。
思いのほか反響があったので、鶏飯、追加で調べております。奄美の史料がわからないのですが、とりあえず、経過報告です。(左源太さんから離れる一方ですが、遠島録は2000年のところに毎日アップしてまーす)。
奄美の郷土食として名高い鶏飯ですが、江戸期の料理書にはいろいろ登場しているところから、かつては地域限定というよりも、もう少し一般的な食べ物であったのではないか? というお話をしました。で、じゃぁ江戸時代以降、奄美以外で鶏飯を作っている(作っていた)地域はないのか?
こういうことを調べたいときに便利なのが、農文協の本です。まず見たのは『聞き書ふるさとの家庭料理3巻』雑炊・おこわ・変わりごはん(2003年)。この本には、「お茶漬け、汁かけごはん」の部というのがあるんですね。各地のごはんを眺めていきますと、岡山県久米郡の「こちのかけ飯」に行き当たりました。お皿の上にいろいろな具、こちのほぐし身、細かく切ったこぼう、にんじん、たまご、くさぎな(薬草)などが載っていて、奄美の鶏飯の写真に良く似ています。
この具をご飯に載せ、「こちの茹で汁に味をつけた汁をかけて」食べるのです。季節によって柚子の皮などの薬味を添える、ともあります。
さらに「このほか山鳥、きじ、うさぎ、鶏肉などのかけ飯もおいしい」と書いてあるではないですか。
じゃじゃん。これは鶏飯とおんなじ、と言ってもよさそうですよね?
脱線しますが、岡山と言えば内田百■(けん)。探したら、こち飯、という随筆がありました(『ご馳走帖』中公文庫1994)。こちを茹でて、茹で汁をかけて食べてますね。これだ!
尚弘子監修『沖縄ぬちぐすい事典』プロジェクトシュリ(2002)には、沖縄のセーファンが載っています。ご飯の上に千切りの薄焼き玉子、しいたけ、にんじん、菜っ葉などを放射線状に並べて、カツオだしか、カツオと鶏のだしを合せた汁をかける、というもので、お祝いや接待の料理。鶏肉が入ると「ケーファン」、豚肉を使って具をさいの目に切って炊き込みご飯風にした「トンファン」がある、とあります。
ケーファンは、鶏飯、ですよねー。接待料理だし、これもほぼ同じ、といえそうです。宮廷料理の一つと紹介している本もあります。
ただ、現在の沖縄で、このケーファンが沖縄料理として定着しているのか?というとちょっと疑問で、沖縄の料理書でも出てこなかったりしますし、町のお店などでは、奄美の郷土料理として出しているところ、チーハンという中国読みの名前で出しているところなどもあるんですよねー。歴史的なところも含めて、もう少し調べてみたいです。
これ以外には、今のところそっくりさんは見つかっていません。聞き書日本の食生活CD−ROMで、「鶏飯」を検索したりもしてみましたが、名前だけで正体不明のものが多く、書いてあるものは炊き込みご飯。愛媛県に「鶏肉の汁かけ飯」があって、おおっ!と思ったら、肉団子でした。むー。
農文協の本に載っているのは、昭和前半くらいのイメージですので、そのころには、もう汁かけ飯としての鶏飯を作る地方は、それほど多くはなかった、と言ってもいいのかもしれません。
続きます。
思いのほか反響があったので、鶏飯、追加で調べております。奄美の史料がわからないのですが、とりあえず、経過報告です。(左源太さんから離れる一方ですが、遠島録は2000年のところに毎日アップしてまーす)。
奄美の郷土食として名高い鶏飯ですが、江戸期の料理書にはいろいろ登場しているところから、かつては地域限定というよりも、もう少し一般的な食べ物であったのではないか? というお話をしました。で、じゃぁ江戸時代以降、奄美以外で鶏飯を作っている(作っていた)地域はないのか?
こういうことを調べたいときに便利なのが、農文協の本です。まず見たのは『聞き書ふるさとの家庭料理3巻』雑炊・おこわ・変わりごはん(2003年)。この本には、「お茶漬け、汁かけごはん」の部というのがあるんですね。各地のごはんを眺めていきますと、岡山県久米郡の「こちのかけ飯」に行き当たりました。お皿の上にいろいろな具、こちのほぐし身、細かく切ったこぼう、にんじん、たまご、くさぎな(薬草)などが載っていて、奄美の鶏飯の写真に良く似ています。
この具をご飯に載せ、「こちの茹で汁に味をつけた汁をかけて」食べるのです。季節によって柚子の皮などの薬味を添える、ともあります。
さらに「このほか山鳥、きじ、うさぎ、鶏肉などのかけ飯もおいしい」と書いてあるではないですか。
じゃじゃん。これは鶏飯とおんなじ、と言ってもよさそうですよね?
脱線しますが、岡山と言えば内田百■(けん)。探したら、こち飯、という随筆がありました(『ご馳走帖』中公文庫1994)。こちを茹でて、茹で汁をかけて食べてますね。これだ!
尚弘子監修『沖縄ぬちぐすい事典』プロジェクトシュリ(2002)には、沖縄のセーファンが載っています。ご飯の上に千切りの薄焼き玉子、しいたけ、にんじん、菜っ葉などを放射線状に並べて、カツオだしか、カツオと鶏のだしを合せた汁をかける、というもので、お祝いや接待の料理。鶏肉が入ると「ケーファン」、豚肉を使って具をさいの目に切って炊き込みご飯風にした「トンファン」がある、とあります。
ケーファンは、鶏飯、ですよねー。接待料理だし、これもほぼ同じ、といえそうです。宮廷料理の一つと紹介している本もあります。
ただ、現在の沖縄で、このケーファンが沖縄料理として定着しているのか?というとちょっと疑問で、沖縄の料理書でも出てこなかったりしますし、町のお店などでは、奄美の郷土料理として出しているところ、チーハンという中国読みの名前で出しているところなどもあるんですよねー。歴史的なところも含めて、もう少し調べてみたいです。
これ以外には、今のところそっくりさんは見つかっていません。聞き書日本の食生活CD−ROMで、「鶏飯」を検索したりもしてみましたが、名前だけで正体不明のものが多く、書いてあるものは炊き込みご飯。愛媛県に「鶏肉の汁かけ飯」があって、おおっ!と思ったら、肉団子でした。むー。
農文協の本に載っているのは、昭和前半くらいのイメージですので、そのころには、もう汁かけ飯としての鶏飯を作る地方は、それほど多くはなかった、と言ってもいいのかもしれません。
続きます。